使えないスプーン
「ここに一本のスプーンがある。」
700年前に使われていたスプーンで、オランダの川底から発掘されたらしい。美術的な価値はほとんどないし、実用の役目もずいぶん前に終えている。このような錆びれて、朽ち果て、もう使えないスプーンやナイフがぼくの手元にはたくさんある。もともとは、つくり方を知るための資料だった。
竹俣勇壱
(あとがきから)
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この本は、坂田和寛さんがあつめた辰澤コレクションをベースに、つくり手でもある竹俣勇壱が収集した合計74点のカトラリーを収録しています。スプーンとナイフとフォークのうち、もっとも数の多いスプーンは、表と裏の両側が見えるように構成している。ケレン味のない淡々としたページネーションも、すべて原寸大なのも、アートディレクターの山口信博による意匠だが、竹俣勇壱がつくり手であることも大きい。
それぞれのカトラリーの合間には、ブリューゲルやボスやモネたちが描いた「カトラリーの登場する絵画」を継木し、中勘助や伊丹十三やジャック・プレヴェールたちが残したカトラリーの言葉を吹き寄せた。
(FRAGILE BOOKSウェブサイトより引用)
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「使えないスプーン」竹俣勇壱
編集・発行/櫛田 理
デザイン/山口信博、玉井一平
写真/鈴木静華
発行元/FRAGILE BOOKS
【商品詳細】
サイズ:h256 × w148 × d21mm
重さ:600g
ページ数:224P
言語:日英対訳
本文用紙:サンルーマー 46判 105kg
表紙用紙:アラベール ホワイト 46判 200kg
スリーブ用紙:グムンドバイオサイクルFS カナビス 46判 210kg
刊行:2025年